栄養成分表示の読みかた
栄養成分表示を見ることで、自分に必要な栄養成分を含んでいる(もしくは、とりたくない栄養成分が少ない)食品を判断することができます。この表示を役立てて、健康に気を使った食事を取るようにしましょう。
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上記が栄養成分表示の例です。
表示内容を上から順にみていくと、一番上に100gあたりの栄養成分表示であるという記載があります。食品ごとに何g(ml)あたりの栄養成分表示かは異なるので、表示を見比べたいときはまず分量の単位を確認しましょう。
次を見ていくと「熱量(エネルギー)」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物(糖質、食物繊維の場合もある)」「ナトリウム」の5項目が連なっています。これらは必ずこの順で全ての食品において共通に出てくる項目で、数値が0であっても表示されます。この項目のあとに、各製品で強調したいその他の栄養成分(上記例で言うとポリフェノール)が記載されます。
以下で全ての栄養成分表示に共通して出てくる「熱量(エネルギー)」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物(糖質、食物繊維の場合もある)」「ナトリウム」が私たちのからだにどういう働きをするのかについて簡単に説明します。
「熱量(エネルギー)」
単位はkcal(キロカロリー)ですが、カロリーというのはダイエットにおいてよく耳にすることばだと思います。これは人が活動する際に消費されるものです。なので、熱量を摂取した分より消費しなければカロリーが脂肪として体の中に使われないままたまってしまい、肥満や成人病を招いてしまいます。熱量消費の目安としては、体重60kgの人が軽い散歩を30分間、自転車で平地を20分間走る、バスケットボールを5分間プレイすることでそれぞれ100kcalの熱量を消費することになります。
「たんぱく質」
皮膚、骨、血管、血液などを構成する栄養素で、エネルギー源でもあります。これを摂取しすぎると肥満になりやすくなり、またたんぱく質の排泄が多くなることで腎臓に負担が与えられます。逆に不足すると脳の働きが弱まり、記憶力や思考力が低下します。たんぱく質摂取の目安は成人で体重1kgあたり1〜1.2gです。
「脂質」
脂質はエネルギー源になる栄養素で、1gあたり9kcalのエネルギーを摂取することができます。また、体内で生成することができない必須脂肪酸が含まれており、体の細胞膜の成分・ホルモンの材料になっています。したがって脂質の摂取量が不足するとホルモンバランスが崩れ、便秘や肌荒れの原因となります。また脂質に溶けるビタミンA、D、E、Kなどが、体に吸収されにくくなります。一日の摂取目安量は成人で50gです。
「炭水化物(糖質、食物繊維の場合もある)」
これもエネルギー源となる栄養素で、1gあたり4kcalのエネルギーを摂取することができます。炭水化物は体内で脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖に分解されるため、重要な栄養分です。摂取が不足すると、したがってボーっとして集中力が持続しにくくなってしまいます。またエネルギー源なため、消費しきれないほど摂りすぎてしまうと肥満の原因ともなります。1日の摂取目安量は270gといわれています。
「ナトリウム」
ナトリウムは食塩に含まれている物質で、体内の水分量をいつも適切な状態に調節したり、神経や筋肉を正常に動かすために働いたりする重要な役割をします。ナトリウムを取りすぎる、つまり食塩を取りすぎると高血圧や生活習慣病などの様々な病気を招くおそれがあります。生きていくために必要な摂取量は1日に1.5g程度ですが、統計によると5割もの成人の平均摂取量が10.5gと、平均の十倍近くとなっているのが現状です。
※ナトリウムの値を使って食塩の含有量を知ることができます。
ナトリウム(mg)×2.54÷1000 = 食塩(g)です。
この計算式を使えばカップラーメンの塩分含有量などを知る事ができます。
各栄養素の働きを理解すれば成分表からいろいろなことを読み取ることができます。成分表を利用してその時々の自分にあった適切な食事を取るようにしましょう。
※「カロリーオフ」「カルシウム入り」等の表示にはルールがあり、それらの基準を満たした製品だけがそういった主旨のキャッチコピーを使うことができます。基準は以下の通りです。
栄養成分を多く含んでいることを強調する表示 | 栄養成分が少ないことを強調する表示 | ||
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表示の内容 | 基準 | 表示の内容 | 基準 |
「食物繊維が多い、 豊富」など | 食品100g当たり6g以上 | 「ノンカロリー」 | 食品100g当たり5kcal未満 |
「食物繊維を含有、 供給」など | 食品100g当たり3g以上 | 「カロリーオフ」 | 食品:100g当たり40kcal以下 飲用:100ml当たり20kcal以下 |
「カルシウムが多い、 豊富」など | 食品100g当たり210mg以上 | 「ノンオイル」 | 食品100g当たり脂質0.5g未満 |
「カルシウム入り、 含有」など | 食品100g当たり105mg以上 | 「ノンシュガー、 無糖、糖分ゼロ、 シュガーレス」 | 食品100g当たり 糖質0.5g未満 |
「低糖、糖分控えめ」 | 食品:100g当たり 5g以下 飲用:100ml当たり2.5g以下 |