全食材共通
その1:表示を良く見る
まず食品を買う際は、表示をよくみましょう。これは添加物を避ける一番直接的な方法です。添加物を避けるためには、食品表示をよく見比べて、添加物がなるべく少ないものを選びましょう。
添加物の中には表示義務がないものや一括表示が許されているものがあるため、一概に判断出来ないこともありますが、ざっと見ていかにも添加物まみれのものは避けることが出来ます。
なお、「表示を見てもどれが添加物かわからない」という方は、「剤」や「料」がついているもの(例:乳化剤、増粘剤、保存料、など)や、「聞きなれないもの」、「身近でないもの」(例:ソルビン酸、リン酸塩、など)は、全て添加物と考えて間違いありません。これらの基準で判断してみましょう。
また、同じ種類の食品でもメーカーによって使われている添加物の数に差があったり、同じ物質がいろんな食品に使われていたりしますので、表示を何度も見ているうちにコツがつかめてくるでしょう。
その2:同じ製品ばかり買わない
ずっと同じ製品ばかりを食べていると、同じ添加物を重ねて摂り込んでしまうことになり、過剰摂取のリスクが増えます。毒も種類の違うものを分散して取る方がその影響は下がります。今日も「○○コンビニの○○」、明日も「○○コンビニの○○」、などと毎日同じものばかり食べるのは止めましょう。
その3:旬のものを選ぶ
野菜や果物の場合、旬のものは時期外れに生産されたものに比べ使われる農薬などが少なくなります。魚についても旬のものは汚染が少ないとされます。この事実に関係してあなどれないのが、「冷凍野菜」や「魚の缶詰」です。冷凍野菜は旬の時期に多く獲れ過ぎたものを即冷凍しているものが多くなります。また、冷凍自体優秀な保存法のため、添加物を加える必要もありません。同じ理由で缶詰も比較的安全です。特にさんまやいわしの水煮は、大量に獲れたものを添加物なしに缶に詰めており、栄養も豊富で安価です。ただし、カニ缶などは、危険性の高い添加物「ソルビン酸K」などが使われていることがよくあるので表示を見て選ぶようにしましょう。
その4:脂肪と内臓を避ける
魚介類は、抗生物質の害を考えると養殖魚より断然天然魚です。とはいうものの、外食などで出てくるサケやはまちのほとんどが養殖、つまり、抗生物質漬けだと思って間違いありません。また、比較的口にする機会の多い、あじやさば、貝類などは天然物が多いのですが、汚染によるダイオキシンの害が気になります。肉についても、地鶏など、相当にこだわって育てられたもの以外は、病気発生を防ぐために投与される抗菌剤や抗生物質、肉を柔らかくしたり成長を促進させるために与えられるホルモン剤、飼料に含まれる農薬などで汚染されきっています。
結局、「肉も魚も食べられないの?」ということになりますが、比較的安全に食べる方法があり、それは、「脂肪と内臓を避けること」です。なぜなら、抗生物質やダイオキシンなどは内臓や脂肪に溜まるという性質があるため、内臓や脂肪を避けるとその害がだいぶ減らせるのです。牛も豚も鶏もなるべく赤身を選ぶようにしましょう。サーロインやロース、ばら肉は止めてヒレやモモが良いでしょう。ヒレは高いものの、ももはロースなどに比べて安価です。積極的に選ぶと良いでしょう。脂ののった肉は美味しいものですが、「油=抗生物質やダイオキシン、他有害物質の塊」と思うと、あまり美味しいものと感じないのではないでしょうか。トンカツや豚の角煮の脂身は残しましょう。魚もトロよりは赤身、さばやさんまも脂の多そうな部位は残しましょう。
また、内蔵も避けるようにします。イカや魚のはらわたや貝の黒い部分などはダイオキシンがいっぱいです。また、栄養価が高いとされるレバーも、汚染の観点から言えば避けるべきです。そもそも肝臓は解毒臓器であり、最も毒素が溜まる部位なのです。
安価な農薬漬け、抗生物質漬けの食材でも、内臓と脂肪さえ避ければ体内に取り込まれる量はかなり減ります。可能な範囲で脂肪の少ない肉や魚を選択する、もしくは取り除いて食べるようにしましょう。レバーや貝が好きという人も少し回数を減らすようにしましょう。
肉や魚介類については、自炊をする場合、さらに有害物質を減らす方法があります。
農薬や添加物、他有害物質を除去する方法として、全てに共通しているのは「ゆでこぼす(湯がいてそのお湯を捨てる)」ことです。加工品、魚介、肉、果物、野菜など全ての食材にも共通しています。加熱してゆでこぼすことが難しければ、ポットのお湯にくぐらすだけでもだいぶ添加物が抜けます。湯通ししてそのお湯を捨てて食べる、もしくは、ポットのお湯でくぐらしてそのお湯を捨てて食べる、これはどんなものにも応用出来るので、覚えておくと便利です。人間不思議なもので、湯通しするとある程度添加物が取り除けると聞くと、仮に最初その食べ方を「美味しくない!」と思ったとしても、なぜかそのうち美味しくなってきます。人間は舌でものを食べる以上に、「頭で」ものを食べているのです。
なお、有害物質を避けるためには、どうしても一手間必要になります。それが嫌であれば値段の張るものを買うようにしましょう。安全性は確率論的に値段に比例します。結論は、「手頃なものを買って手間をかけるか」、「高くてより安心出来るものを買ったり、食べたりするか」に至るのです。
なお、「栄養を採ること」と「農薬や添加物、他有害物質を避けること」とは両立しにくいものであることを踏まえておきましょう。なぜなら、栄養素と有害物質は同じ部分に蓄積しがちだからであり、「有害物質を除去する」=「栄養素を除去する」ことにつながるのです。
食べ物は栄養学上では、「丸ごと食べるのが良い」とされます。本来であれば果物や野菜も丸ごと食べるのが良いのです。魚も丸ごと食べると栄養価は高くなります。ただ、果物や野菜の皮、魚の頭や内臓は、有害物質が最も蓄積する部位であり、それらを食べると間違いなく多くの有害物質を口にすることになります。
栄養も採りたい、でも有害物質も避けたい、という方は、無農薬栽培の果物や野菜、無農薬飼料で育てた家畜、天然魚など、そもそも有害物質があまり含まれていないものを選べば良いのです。そうすれば、有害物質をあまり口にすることなく栄養も採れて理想的です。
ただし、一般的にはコストが高くつくため、「私は安いものを安全に食べたいんだ!」、いう方は、少々栄養学的に満点でなくとも、より安全に食べた方が良いと言えます。
いずれにしても、選ぶのは個々人の自由で、栄養と添加物や有害物質の関係を知った上でどうするか決めるようにしましょう。