食の欧米化がもたらす弊害
文明化=欧米化という解釈が浸透しています。日本は食生活の欧米化を進んで取り入れてきたのですが、それによる弊害は少なくありません。
日本で珍しくない病気である「ガン、心疾患、糖尿病、ぜんそく、関節炎、虫歯、肥満など」は、現地で育った自然で新鮮な未加工の食品を食べている、世界中の先住民の間では非常に稀なのです。
世界中に点在している先住民の食生活は多様であり、一概には言えませんが、そこには確かな共通点があります。
まず、どの部族も白い小麦粉、砂糖、缶詰、低温殺菌牛乳、スキムミルク、水素添加油などの、精製されて栄養素が欠落した食品を全くとらないことです。そして、欧米や日本の食事と比べると概して摂取カロリーが低いのです。
しかし、昨今ではその原住民族の食生活も変わりつつあります。文化の往来がなされ、原住民は欧米の白い小麦粉や砂糖、マーガリン、ジャム、クッキー、コンデンスミルク、砂糖菓子やその他の精製された食品を食べ始めるようになったのです。
これらのものを食べ始めた結果はこうです。
以前はなかった病気に感染しやすくなり、慢性病に苦しむ者も増えてきました。先天性欠損症が増え、おおよその歯の問題が蔓延したきました。精製されて栄養素が欠落した食品を食べれば食べるほど、多種多様な病気にかかりやすくなったのです。
明らかに食生活の欧米化が、有害な病気を引き起こし、ガンを発生させるという一面があることに疑いの余地はありません。しかしながら、「過去を見習い、先住民族のような食生活に戻る」ということが、果たして容易でしょうか。
私たちが今出来るのは、過去の知恵の産物である農業システムや食生活を考慮して、健康で持続可能な生き方を模索することではないでしょうか。