豊かさ、栄養過多が及ぼす病気
今回は中国の話です。
世界経済においても、昨今の中国消費者経済は抜きん出て成長を遂げており、その結果、環境への影響がもっとも強く懸念されています。現在中国では、大規模な大気と水質汚染の問題に取り組んでいるのです。
これは中国だけの事象ではありません。
世界中の人々が近代的な生活を求め、大量消費に走っています。
昨今の私たちは、新鮮な空気ときれいな水、体に良い自然食品、また、健康的な環境が人体に必要不可欠だということを忘れてはいないでしょうか。
世界最大の人口を抱えた消費経済大国、中国において、近年、健康で長生きするにはどのようにすれば良いのかを知るため、「様々な地域における異なる食事と、ガンやその他の病気による死亡率には相関関係があるのか?」調査が実施されました。
ニューヨークタイムズ紙はこれを、「食と病気の危機との関係性について行なわれた、史上最大規模の調査、(通称中国研究)」と呼んでいます。
中国研究から分かったことで、特定の病気は経済環境が似通った場所で見られるというものがありました。科学者らが言う『二つの病』、『貧しさからくる病(肺炎、結核、下痢、呼吸器疾患、はしかなどの伝染病など)』と『豊かさからくる病(糖尿病、虚血性心疾患、肥満、ガン)』のことです。
貧しさからくる病の根本原因は、栄養不足と衛生状態の悪さであることが明確です。貧しさそのものが原因なのではなく、清潔な水と十分な食事が得られない為に病気になるのです。
一方「豊かさからくる病」とは豊かさそのものではなく、豊かさがもたらす栄養過多にあることが分かっています。
また驚くべきことに、動物由来の食品とガンとの間に強い因果関係があることも分かりました。欧米型疾患を強く予測できる因子のひとつとして血中コレステロール値があるという事実が分かったのです。
血中コレステロール値が低ければ、心疾患やガンなどの欧米型疾患の罹患率も低く、値が170mg/dlから90mg/dlに下がるにつれて、肝臓、直腸、結腸、肺、乳、胃、食道、脳のガンと白血病(大人も子供も)が減りました。
つまり、ガンと動物性食品との相関関係が明らかとなり、動物性食品を避け、自然食品や植物性食品をとることで、ガンを予防する効果が得られることが科学的な証拠となったのです。