紅花油、コーン油、ひまわり油(リノール酸の害)の害
リノール酸という言葉を聞いたことがあるでしょうか?リノール酸とは植物性油の一つで、1970年代にリノール酸が動物性脂肪と比べ血中のコレステロール値を下げるという研究発表があってからは、「リノール酸は健康に良い!」ということでその摂取が推奨されてきました。リノール酸は紅花油やコーン油、ひまわり油、綿実油などに多く含まれ、実際これらの油を「動物性脂肪よりも良い!」と信じて積極的に購入している人も多いのではないでしょうか?
ところが、近年の研究で、リノール酸を長期間にわたって多く摂取し続けると心疾患やガンなどが増えることがわかりました。リノール酸は健康に良いという理論から一転、リノール酸の取り過ぎは体に悪いという理論に変わってしまったのです。にも関わらず、まだ多くの人は、この逆転した事実を認識せずに、紅花油(サフラワー油)やコーン油、ひまわり油、綿実油をなんとなく健康に良さそう、という理由でサラダやフライ、炒め物に使っています。
ちなみに紅花油やコーン油、ひまわり油、綿実油は安価ということもあり、加工食品やお総菜、お菓子類ほぼ全部に使われています。つまり普通に暮らしていると知らず知らずのうちにリノール酸摂取過剰状態になってしまうのです。
確かにリノール酸は体にとって必要な栄養素であり、採るべきものですが、リノール酸などのn−6系と呼ばれる油ばかりを摂るともう1つの必須脂肪酸であるn−3系列の油(アルファリノレン酸など)とのバランスが崩れ、アレルギー疾患などの様々な悪影響をもたらすことがわかっています。ただし、n−3系列の油を比較的多く含むもので、手軽に買える油は残念ながらほとんどありません。(シソ油が60%、アマニ油が45%のアルファ・リノレン酸を含むが容易に入手しづらい) 代わりに、アルファ・リノレン酸を10%も含み、リノール酸はわずか20%しか含まない新なたね油(キャノーラ油)はお薦めの油と言えます。新なたね油(キャノーラ油)はアルファ・リノレン酸を含むという利点以外に、比較的熱に強い単価不飽和脂肪酸を60%も含む点もあります。このため特に加熱料理には、新なたね油(キャノーラ油)の使用がお薦めです。
かつての日本食は、低脂肪だっただけでなく、n−6系列とn−3系列の油の摂取バランスが良く、世界的に見ても理想に近い脂肪の取り方をしていました。この良いバランスがくずれた原因は、野菜や魚の摂取が減り、肉料理が増えたことと、植物油の摂取が増えたことにあります。
結論として、油を買うなら新なたね油(キャノーラ油)または単価不飽和脂肪酸を多く含むオリーブ油がお勧めです。そして今後は紅花油やコーン油、ひまわり油、綿実油は出来るだけ使わないことを推奨します。