長寿法の結論!
食事で摂取するカロリーを成人女性1,300〜1600kcalに、成人男性1,600〜1,900kcalにして、それを超えない
なお、カロリーにこだわり過ぎる必要はなく、栄養価の高い食べ物を、規則正しく、ゆっくり落ち着いて食べている限り、カロリー過多にはならないものです。カロリー制限は、心拍数を落とし代謝を低下させ、活性酸素(老化促進物質とされる)の産生を防ぎます。結果、老化がゆっくり進み、長寿につながるのです。人が心身の機能を維持するのに必要なカロリー目安は成人女性1,300〜1600kcal、成人男性1,600〜1,900kcal、もしくはもっと低いとも言われます。理論的にはそれ以上のカロリーは活性酸素生成の原因となり、老化を促進させます。日本人の1日あたりの平均摂取カロリーが女性でおよそ1,800kcal、男性で2,300kcalと言われていることから、一人一日平均200〜500kcal分の活性酸素=老化促進物質を自ら生成し、老化に向かってひた走っている訳です。例えば、毎日コンスタントに200Kcalオーバーしているとすると1ヵ月で約6,000kcal、1年で73,000kcal分の老化促進物質を自ら作り出しているのです。毎日400kcalオーバーしている人は、1年でその倍の146,000kcal分の老化促進物質を作り出しているのです。
カロリーと言えばダイエットとの関係でよく用いられますが、「やせの大食いがうらやましい!」という方、実は老化の概念から見ると、やせの大食いは「早死にタイプ」なのです。つまり、燃料を多く入れ、体の中で燃やすもののそれを効率的に燃やすことが出来ないのです。燃料を燃やす際には必ず老廃物が発生します。ガスコンロを思い出してください。使えば使う程黒くなったりして汚れていってしまいます。これは年数が経てばある程度仕方がない(人間の老化)ものの、同じ回数弱火で使うのと同じ回数強火で使うのとではコンロの汚れ方が異なります。同じ回数強火で使い続ける方が傷みが早いはずです。人間の体も同様で、やせの大食いは燃費が悪く、ガソリンを入れても入れてもエネルギーになりにくい、老化の観点から見ると非常に損な体質なのです。やせの大食いに早死にやガンが多いのも納得出来ます。老化の観点からするととても損な体なのです。
ただし!好きなものを食べることが「自分らしく生きる」ことにつながるのであれば、無理に摂取カロリーを抑える必要はありません。好きなものをお腹一杯食べることで本当に「自分らしく幸せ」に生きることになるのであればそれも良いでしょう。もちろん、毎日毎食お腹一杯に食べていれば、いつの日にか健康状態が悪くなり、調子良く活き活きといられなくなることは明白で、ある程度節制することがお勧めです。総じて今の日本人は食べ過ぎと言えますので、ある程度節度を持って摂取カロリーを制限することは有益のように思います。ただし、反対に、摂取カロリーの制限を死守することに終始して、苦しく楽しみのない毎日を送るのも考えものです。「ある程度節度を持ってたまに豪華に好きなものを食べる」などが一番良いように思います。
熱を加えて調理したものをなるべく避ける
これも、旬の新鮮なものを新鮮なうちにという健食と通じます。火を用いる調理とは化学的にはたんぱく質を変性させることであり、たんぱく質の変性は、発がん性物質を生じます。また、調味料の多くは製糖が含まれており、これも加熱によって変性し、発がん物質に変わります。たんぱく質や糖質の変性の最たるものは電子レンジで、電子レンジでチン!が最も発がん物質生成を促すのです
(「レンジでチン!」=「食べ物を発ガン性物質にする方法」)。電子レンジでチンしたものはもはや食べ物ではなく、たんぱく質や精製糖が変質した発がん物質の塊だと考えましょう。「レンジでチンで発がん物質!」この言葉を心に留めておいてください。
毎日1時間程度のウォーキングもしくは、それと同等の運動をする
老齢で一番目に付く変化は筋力の低下です。特に下半身の筋力は、25歳〜35歳位を最高として、60歳代以降は徐々に低下し、80歳ではピーク時のほぼ半分まで衰えます。これ以降は、急な坂を転げ落ちるように下降します。しかし、老齢になって以降も毎日1時間程度のウォーキング、もしくは同等の運動を週3回以上位の割合で筋力トレーニングをすると3ヵ月程で筋力は倍増します。また、骨に刺激を与えることによって、骨密度の減少への歯止めにも効果があります。その上、このような筋肉トレーニングで足腰がしっかりしていると、痴呆さえも改善されるという報告もあります。老齢になって以降も筋力トレーニング、これによって、筋力低下、バランス低下、骨粗鬆症、痴呆の予防が出来るのです。
過度の運動をしない
毎日1時間程度のウォーキングが長寿にお勧めと述べましたが、ただし、過度の有酸素運動(エアロビクス)には注意が必要で、寿命を縮めることに関係します。人の寿命は、性成熟までの成長をつかさどる遺伝子の最大限の能力で決まるという説が有効で、加齢は、そのような遺伝子を変異させたり、傷つけたりします。もちろん、それを修復する遺伝子もあるものの、有酸素運動で生成されるフリーラジカルの発生はこの機能を妨害するのです。フリーラジカルをやっつけ、排除するのがスカベンジャー酵素と呼ばれるもので、「適度な、しかも継続的な運動」はスカベンジャーを多く産生します。反対に、エアロビクスやマラソン、他ハードな有酸素運動はフリーラジカルを多く発生させ、老化防止には逆効果です。
「適度な有酸素運動」とは、人によってまちまちですが、ウォーキングやスイミングなどは万人向けだと言えます。毎日が無理でも週3日程度軽度な運動をしてみてはいかがでしょうか。
生き甲斐を持つ
「生き甲斐」は、人それぞれで、「自分らしく幸せに生きる」ことと密に関係します。自分にとって本当に大切なものは何か、一所懸命になれるものは何か、それを自分の中で明確にすることが大切です。それが年を経るにつれて変わっていくこともあるでしょう。また、長い年月を掛けないと、自分の中で明確にならないこともあるでしょう。気持ちと体は密接に関係しています。「ああ、もう人生に疲れたなぁ」、「年を取ったなぁ」と意識した時から老化は促進されます。一般論に惑わされてはいけません。例えば「30過ぎると体力が落ちて疲れやすくなってくる」とテレビや新聞で言ったとしても、「自分はまだまだ元気だ、若い」と思えば、体もそのようになっていきます。「気持ちが体をコントロール出来る」ことを認識してください。
常に他人と交わる
人間は他人との関係で存在している生物で、他人と積極的な関係を持つことはいろいろと刺激となって生命力を高めます。他人との関係を断って世捨て人になれば長寿は望めません。他人との関係はストレスを生む原ともなりますが、同時に生命力を高めるエネルギーともなるのです。
以上が長寿法のポイントです。健食にも通じるところがたくさんあります。実践する、しないは自分で判断していきましょう。